ISBN
978-4-8443-7010-9
高城重躬 著
292頁
4,410円(税込)
スタインウェイ物語

スタインウェイといえば、誰しもが世界的に有名なピアノであることを想像するであろう。1853年、ニューヨークに創立したスタインウェイ社。著名なラフマニノフ、パデレフスキーなどが愛用者であったことはもとより、かの発明王、トーマス・エジソンがそのピアノを購入していたという。
本書は、自身がプロ並みのピアノ演奏の腕をもち、オーディオ研究家として名をはせた著者が、スタインウェイを中心にピアノの歴史、構造・特長を具体的に名演奏家たちのレコードを通じて解説した書である。

ピアノ会社の発展に音楽家が密接な関わりをもっていたというエピソード、スタインウェイに勝るとも劣らぬベッヒシュタイン、ベーセルドルファーなどのピアノや、自動ピアノについて解説され、ピアノの祖先にあたるクラヴィコードやチェンバロについても取り上げられる。
また、ニューヨーク・スタインウェイとハンブルク・スタインウェイの違い、特長についての解説もある。双方の構造は本質的に大差がなかった。しかし民族性や風土等の影響もあり、音やタッチなどに相異があったとされている。優劣ではなく、それぞれ演奏家の好みに違いがでたという。名演奏家であるホロヴィッツやグールドはニューヨーク製の愛用者だったとされるが、ニューヨーク製は、実はその本領を発揮するまでに時間を要する難物だったというからおもしろい。

著者自身のピアノにまつわる思い出話も語られ、自らが選ぶ「ピアノ名録音盤115選」にも深みがある。
ピアノ愛好家のみならず、多くの音楽ファンを魅了する決定的名著が復刻。

【CONTENTS】

つきないピアノの魅力につかれて
日本に入って来た個性的なピアノたち
初めてスタインウェイを弾く

一八五三年ニューヨークに設立
バデレフスキーとスタインウェイ

音色と響きに最も大きな影響を及ぼすのは響板
カポ・ダストロ・バーとアリコート・ブリッジ
ホールでは微妙なニュアンスはわからない
新しい奏法の出現とペダル
ペダルの使いかたについての論争
鍵盤を移動させるソフト(左)ペダル
弾いた鍵の音だけを残すソステヌート(中央)ペダル

五〇年以上も昔のスタインウェイを弾くベルマン
ニューヨーク・スタインウェイとハンブルク・スタインウェイ
ニューヨーク・スタインウェイの特長

 

ウィーンの名器、ベーゼンドルファー
バーンスタインとボールドウィン
テレビ放送の功績
自動ピアノとそのレコード

ピアノが誕生するまで
クラヴィコード
チェンバロ
ヴアージナルとスピネット
ピアノの起源と三種の楽器論争

ピアノにまつわる思い出話し
ピアノ楽譜の立読み
ラジオと現代音楽、天才坊やとの出合い
古本屋で見つけたピアノ楽譜の奇縁
高橋アキ・デビュー・リサイタルの録音
レコード・コンサート

ピアノの音域、音名、平均律、周波数および作曲家が使用した主なピアノの音域表