ISBN
978-4-8443-7010-9
一木古典 著
490頁
13,020円(税込)
オーディオ用 真空管マニュアル

本書は、昭和33年に発行された『全日本真空管マニュアル』をオーディオ用にしぼって改版されたものであり、その完全復刻版である。半導体の躍進により、受信管の量産は中止され、わずかにオーディオ用として使われる状況をふまえて改版された経緯をもつ。
真空管の愛好家は数こそ少なくなったものの、まだ生き続けるであろうと著者は語る。これは今もなお同じ状況ではなかろうか。真空管は電圧を電流に変えて増幅すること、真空管特有の空間電荷効果がひずみを減らすことを特長とする。これらが作用した音は、真空管を好むマニアを掴んで離さないひとつの理由になっているのであろう。
前身である『全日本真空管マニュアル』よりテレビ用受像管、高圧整流管、観測用ブラウン管などについてのデータを削除し、電圧・電力増幅用として考えられる品種のみを収容。
第1篇では受信管の規格、三定数、設計・製造法にふれ、第2篇でオーディオ用受信管として、低周波電力増幅回路に関してから、整流管、オーディオ用真空管の最近の傾向にふれる。
第3篇で増幅管のひずみについて、第4篇では補論としてガス入り放電管、高信頼管についてなど、巻頭より約150ページにわたる解説を掲載する。
膨大な資料として、高周波用、映像増幅用、偏向用など、オーディオ用として使える真空管の規格と特性を網羅したマニュアルや、米国WE、欧州シーメンス、テレフンケンなどのデータを収録。
初心者にも使える、管球アンプ・ファン必携の書である。

[CONTENTS]

第1篇 総論

第1・1章 受信管の規格
1・1・1 受信管の規格
1・1・2 受信管の最大定格
1・1・3 受信管の使い方についての一般事項

第1・2章 受信管の三定数と特性曲線の見方
1・2・1 2極管の特性
1・2・2 3極管の特性
1・2・3 5極管の特性

第1・3章 受信管の設計法
1・3・1 受信管設計の実際
1・3・2 カソードの電子放射とヒータ電力
1・3・3 受信管の特性と寸法
1・3・4 電極の設計
1・3・5 構造用部品の問題

第1・4章 受信管の製造
1・4・1 受信管の部品
1・4・2 受信管の組立工程

第2篇 オーディオ用受信管

第2・1章 低周波電力増幅
2・1・1 低周波電力増幅回路設計法の概念
2・1・2 多極出力管のA級増幅の使い方
2・1・3 多極出力管のAB1級増幅の使い方
2・1・4 多極出力管のAB2級増幅の使い方
2・1・5 3極出力管の使い方
2・1・6 AB級の動作原点の問題

第2・2章 低周波電圧増幅管
2・2・1 3極管抵抗結合増幅の設計法
2・2・2 5極管抵抗結合増幅の設計法
2・2・3 ゼロ・バイアス抵抗結合増幅器

第2・3章 受信管の特性曲線の求め方
2・3・1 3極管の特性曲線の求め方
2・3・2 5極管の特性曲線の求め方

第2・4章 低周波電力増幅管特論
2・4・1 A級プッシュブルの簡易計算法
2・4・2 3極管接続のときの出力簡易計算法
2・4・3 出力管の公称出力とひずみ
2・4・4 NFBのあるときの出力管の特性
2・4・5 SEPPおよびOTL回路
2・4・6 スクリーン最大定格について

 

第2・5章 整流管
2・5・1 整流管の最大定格と記号
2・5・2 コンデンサ・インプットの設計法
2・5・3 チョーク・インプットの設計法

第2・6章 オーディオ用真空管最近の動向
2・6・1 電圧増幅管
2・6・2 出力管
2・6・3 整流管

第3篇 増幅管のひずみ

第3・1章 低周波増幅管の波形ひずみ
3・1・1 波形ひずみに関する基礎問題
3・1・2 3極管増幅の波形ひずみの求め方
3・1・3 5極管増幅の波形ひずみの求め方

第3・2章 低周波管の混変調ひずみ
3・2・1 混変調ひずみの原因とその性質
3・2・2 低周波増幅の混変調

第4篇 補論

第4・1章 ガス入り放電管とその使い方
4・1・1 低電圧放電管

第4・2章 高信頼管の概要
4・2・1 高信頼管とは何か
4・2・2 受信管との相違
4・2・3 通信用と通測用とは

第4・3章 コンパクトロン,ノーバル,マグノーバル,9T9管
4・3・1 9T9管
4・3・2 ノーバル管
4・3・3 コンパクトロン
4・3・4 マグノーバル管
4・3・5 中形管ステムの今後のゆき方

第4・4章 負格子電流とその特性
4・4・1 イオン電流
4・4・2 格子漏洩電流
4・4・3 グリッド・エミッション
4・4・4 寄生振動による電流
4・4・5 負格子よりさらに負の電極からのエミッションの流入による電流
4・4・6 初速度電流

第4・5章 初速度電流とその特性